サファイアについて「黒っぽいブルーの宝石でしょう?」というイメージをもっている人はまだまだ多いです。
しかし、宝石好きな方であれば誰もが知るとおり、サファイアには様々な色があります。赤と黒以外はほぼあるのではないでしょうか。
そして、ブルー以外の色で最も希少性が高く、人気があるのがパパラチアサファイア。
蓮の花のようなオレンジとピンクが混ざった優しい色味の宝石です。
今回は私が、そんな大人気のパパラチアサファイアを眺め倒して、その魅力のとりこになったというお話。
パパラチアサファイアって何?という方は、下記のページを見てみてください!
https://recarat.com/online/2017/12/21/about_padparadsha_sapphire/
パパラチアサファイアの魅力はどこにある?
なぜ私がパパラチアサファイアを研究しようと思ったのかというと、「なぜこんなに人気があるのかわからない」と思ったからです。
基本的にはネオン感の強い、彩度の高い宝石か、誰も知らないようなレアストーンを好むため、柔らかいオレンジピンクで、サファイアというありふれた宝石に、それほど強い魅力を感じられなかったんですね。
でも、世間では非常に人気が高いので、なにか自分は気づいていない魅力があるに違いないと考えて、パパラチアサファイアをいくつか入手して眺め倒してみたわけです。
お好きな方なら既にご存じのこともあるかもしれませんが、私が発見した魅力についてご報告いたしますね。
光源によって印象も色も変わる!
中間色の宝石にはよくあることではありますが、パパラチアサファイアもオレンジとピンクの中間色なので、光源によって印象がガラッと変わります。
例えば、太陽光ではオレンジが強くなり、色が薄く見えるので、もともとオレンジで色の薄いタイプは枯れたようなオレンジになります。
しかし、蛍光灯の下ではピンクが強く感じられ、ギューっと美しい濃い色合いを見せることも。
とにかく見るたびに色が違うので、「どんな色の宝石ですか?」と聞かれると、大変言葉につまります。
ちなみに画像のパパラチアサファイアはピンクが強めなので、太陽光でオレンジが強くなって、可愛らしいオレンジピンクになります。
真ん中は抜けがち。でも、縁に赤い色溜まり
パパラチアサファイアの多くは真ん中の色が抜けたように感じられます(私が見るレベルのものは特に)。
しかし、注目すべきは端っこのところ。
上下にある場合が多いのですが、赤く光る部分があるんですよね。
もちろん、全部のパパラチアサファイアに見られるわけではないと思いますが、私が見たものにはフチが赤く輝くものが多かったように思います。
この赤い輝きはネオン感が強く、ネオンカラー好きの私のハートを鷲掴みにしたのでした。
ジュエリー加工に最適!
レアストーンの多くは硬度や丈夫さに難があり、ジュエリー加工には不安のあるものも多いんですよね。
パパラチアサファイアはサファイアなので、頑丈さには定評があります。
https://recarat.com/online/2018/02/02/sapphire_glass/
つまり、ジュエリー加工に最適ということですね。
しかも、雰囲気のあるオレンジピンクは、オレンジが強くても肌なじみが良く、ピンクが強くても可愛らしく、とにかくキラッキラに輝くんです。
私のおすすめは、ピンクゴールドに合わせたシックなジュエリーですね。
パパラチアサファイア購入の際の注意点
下記の記事でも注意喚起していますが、パパラチアサファイアとして売られているもののなかには、“ほぼ価値ゼロ”といえるものもあります。
https://recarat.com/online/2018/06/12/beryllium/
通常の加熱処理であれば、そこまで著しく価値は下がりませんが、この「ベリリウム拡散加熱処理」はいけません。
これは、平たくいうと、表面の色だけを改善しているわけで、コーティングなどと本質的には違わないんですよね。
表面に色をつけるのであれば、中身がサファイアである意味ってあるのでしょうか。……私はないと思っています。
そのため、鑑別書がついていれば安心!ではあるのですが、下記の鑑別書はあまり安心できません。
こちらは、今はなき「全国宝石学協会」の鑑別書。
ここの鑑別機関はパパラチアサファイアの鑑別に定評があったのですが、「ベリリウム拡散加熱処理」を重要視せず、鑑別書を発行して大きな問題となりました。
つまり、ベリリウム拡散加熱処理が行われているパパラチアも「加熱」として書かれている可能性があるということ。
簡易ソーティングなどではベリリウム拡散加熱処理の有無までは確認できず、確実に拡散処理でないことを証明するためには特別な検査が必要なので、1万円ほどの検査費用がかかります。
個人的には、価値の高いパパラチアサファイアの場合は拡散処理検査を行い、それ以外は人工的な色味に気をつけて購入するということをおすすめします。
もちろん、いつも言っている気がしますが、「信頼できるお店で購入する」というのも付け足しておきますね。
カラッツ編集部 監修