ムーンストーンとサンストーン、どちらも月と太陽を名前に含む宝石ですが、どんな宝石かご存知でしょうか?
一見すると、全く異なる見た目を持つ二つの宝石ですが、実はどちらも同じ長石(フェルスパー)グループに属しており、謂わば仲間のような宝石なのです。
今回は、そんなムーンストーンとサンストーンのそれぞれの特徴と魅力をお話ししたいと思います!
ムーンストーンの特徴
和名で月長石(げっちょうせき)とも呼ばれるムーンストーンは、個性的な宝石が多い長石の仲間です。
長石(フェルスパーもしくはフェルドスパー)とは20種類以上の鉱物からなるグループで、火成岩の造岩鉱物に当たります。
同じ長石グループで有名な宝石はオーソクレーズやアマゾナイト、ラブラドライト、ペリステライトなどが挙げられます。
ムーンストーンは月の光を思わせる、青みのある光が特徴的で、その昔インドでは月の光が固まったものだと信じられていたといいます。
長い歴史をもつ宝石で、紀元前100年のローマ時代にはすでに装飾品にあしらわれ、20世紀にはカルティエ社やティファニー社のジュエリーにも取り入れられ、人気を博しました。
特徴的な“真珠のようなぼんやりとした柔らかい光”は、シラー効果と言われます。
実はムーンストーンは一つの鉱物を指す名前ではなく、長石グループの中でシラー効果をもつものに付けられる宝石名です。
中には“一筋の光を放つ猫の目”のようなキャッツアイ効果がみられるものもあります。
ムーンストーンの色
クリアカラーやホワイト、グレー、オレンジ、ライトグリーンやイエロー、ライトブルー、褐色などがあります。
また虹色の光を放つ、レインボー・ムーンストーンもあります。
しかしこれは名前にはムーンストーンとついてはいますが、鉱物的にはラブラドライトの一種です。
ムーンストーンの産地
主な産地はスリランカ。
その他はインドやマダガスカル、アメリカ、ミャンマー、タンザニア、北朝鮮などからも産出します。
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サンストーンの特徴
オレンジの地色にインクルージョンが煌めくまるで太陽のような宝石、サンストーン。
ムーンストーンと同じ長石グループの仲間でヘリオライトという別名も持ちます。
サンストーンもムーンストーンと同じで一つの鉱物を指す名前ではなく、長石グループの中で結晶インクルージョンが煌めく「アベンチュレッセンス」がみられるオレンジ~レッド系の宝石の総称です。
そのためアベンチュリン・フェルスパーとも呼ばれ、和名を日長石/にっちょうせきといいます。
サンストーンの多くはオリゴクレースにヘマタイトが含まれたオリゴクレース種ですが、ラブラドライトに銅が含まれたものや、アンデサイトやオーソクレーズ、マイクロラインといった鉱物種にも、アベンチュレッセンスがみられるサンストーンが存在します。
サンストーンの色
レッド、オレンジ、グリーンなど
サンストーンの産地
南インド、コンゴ、オレゴンなどから産出します。
中でもアメリカのオレゴン州から産出されるサンストーンは、インクルージョンのきらめきが特徴的で「オレゴンサンストーン」という名前で流通しており、近年とても人気が高いです。
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ムーンストーンとサンストーンの共通点と違い
ムーンストーンとサンストーンの大きな共通点はやはり、同じ「長石グループ」の仲間であることです。
そしてインクルージョンによる光が特徴的で、非常に個性的な魅力を持つことも共通点と言えるのではないでしょうか?
逆にムーンストーンとサンストーンの違いは、ムーンストーンに見られる効果は猫の目のような光を放つ「キャッツアイ効果」や柔らかい光が特徴的な「シラー効果」であるのに対し、サンストーンは煌めきの強い「アベンチュレッセンス」であること。
そして、十七世紀からムーンストーンと呼ばれ、古くからジュエリーに使われてきた歴史ある宝石であるのに対し、サンストーンは比較的最近名付けられた歴史の浅い宝石です。
しかしどちらの宝石も個性的で、他の宝石には見られない効果が魅力的ですね!
最後に
月と太陽と相反する名前が付けられた、ムーンストーンとサンストーン。
いずれも独特の光学効果をもち個性的な魅力あふれる宝石です。
モース硬度はどちらも6~6.5ですから、取り扱いには注意が必要かもしれません。
特にジュエリーとして身につける場合は気をつけて下さいね!
カラッツ編集部 監修