皆さんはもう使っていない真珠(パール)のジュエリーはお持ちですか?
いらないジュエリーは誰かに譲ったり、買取専門店や質屋に売るのが一般的な世の中において、特にここ数年、金の高騰などがきっかけでジュエリー買取が注目されていますよね。
かつての買取市場では、金やプラチナといった貴金属と四大宝石(ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド)ぐらいしか評価されなかったのに対し、最近ではそれ以外の宝石も買い取ってくれるお店が増えました。
しかし真珠についてはどうでしょう。他の宝石とは少し事情が異なり、一昔前までは買取ができない宝石として知られていました。
それが昨今、事情が大きく変わり、買取店がこぞって強化し始めているということをご存知でしょうか。
なぜ今になって真珠の買取需要が高まったのでしょうか。
どうやら、ここ数年真珠の価格高騰が続いていることと深い関係がありそうですよ。
真珠(パール)の価格高騰の理由と買取市場の状況が変わった事情などについて、詳しくお話していきましょう!
目次
真珠(パール)の価格が高騰している3つの理由
真珠(パール)といえば、日本近海で養殖が盛んなこともあり、日本人にとって馴染み深い宝石のひとつですよね。
冠婚葬祭などのフォーマルな場でも多く身につけられ、少し格式高いイメージもあります。
普段ジュエリーはあまり身に付けないけれど式用に一式揃えている、という方も多いのではないでしょうか。
そんな真珠ですが、数年前くらいから価格が高騰しているとニュースでよく流れているのはご存知でしょうか。
特にアコヤ真珠の高騰が顕著で、あるテレビ番組では価格が3倍ほどになっていると放送されていました。
一体なぜこんなに高騰しているのでしょうか。まずはその理由から迫っていきたいと思います。
理由1:新しい真珠が作れない
日本でもお馴染みのアコヤ真珠。ほとんどが養殖です。
世界有数の真珠養殖地である日本では、長崎県、愛媛県、三重県などを中心に養殖が行われています。
養殖真珠とは、母貝の中に人工的に核と外套膜の欠片を入れることにより生み出された真珠のこと。
1893年に、日本のジュエリーブランド「ミキモト」の創始者、御木本幸吉が世界で初めて成功させたことでも知られます。
そんな日本が誇る真珠養殖産業に、とても厄介な問題が生じています。
それは、2019年頃からアコヤ真珠を生み出す母貝が大量死するという大事態が起きたこと。
母貝の供給量が減った結果、真珠の数も大幅に減少してしまいました。
のちに原因は新型ウイルス、そして海水温の上昇などの複合的なものだと判明しましたが、いまだに決定的な解決方法は見つかっていないといいます。
現在はウイルスのいない漁場に移動して母貝を育てるなどの工夫を行い、更なる減少は食い止められているものの、元の生産量まではまだ戻っていない状況とのこと。
水産庁が発表している下の表からも生産量の減少と価格の大幅な上昇がよく見て取れます。
|
理由2:中国での人気が上昇
真珠の価格高騰の理由のひとつとして、中国での人気上昇が大きいと考えられています。
数年来中国で真珠が大流行していて、多くの中国人観光客が日本のアコヤ真珠をお土産として大量購入しているといいます。
実際に私が百貨店で販売員として立っていた時も真珠コーナーには常に観光客がいる状態でしたね。
香港を始めとする国際展示場の会場でも、日本真珠の販売ブースに中国人バイヤーが立ち寄っている姿が多く見受けられました。
なぜ中国で真珠ブームが巻き起こったかというと、習近平国家主席の奥さまである彭麗媛氏の真珠好きが影響しているのだそうです。
有名で求心力のある人のファッションが巷でブームになるのはどの国でもよく見ますが、その影響力に驚かされます。
理由3:海外での日本真珠の根強い人気
ここ数年、中国に限らず世界的な真珠ブームが到来していることも理由のひとつといいます。
円安の影響でヨーロッパやアジアなど様々な国から観光に来るようになったことも、国内の真珠需要に影響しているかもしれません。
もともと日本のアコヤ真珠は世界的に人気が高かったのですが、円安によって高品質な真珠が割安で購入できるようになっているのも海外の人にとっては魅力的なのでしょう。
また、どれぐらい影響しているかは分かりませんが、ユニセックスな新しいスタイルの真珠ジュエリーも多く発表されるようになり、男性からの需要も増えているようですよ。
街を歩いていると、たまに真珠の連ネックレスやパール系のイヤーカフをつけた男性を見かけるようになり、新しい価値観が世間に浸透してきたように感じます。
価格高騰は辛いですが、真珠好きな私としては多くの方に真珠の良さが伝わるのはとっても嬉しいことですね。
真珠の買取需要が増えた訳
最初にお話ししたとおり、一昔前までは真珠を買取専門店に持って行っても、ほとんど買取してもらえませんでした。
理由は、真珠のデリケートな性質が影響しています。
真珠は扱い方や長年の使用により、変色したり劣化したりしやすいという特徴をもちます。それ故、そのような真珠は買取の対象から外されてしまっていたのです。
買取業者に聞いた話では、黄色く変色したものは誰かが身につけていたものとわかりやすく、昔は買い手がつきにくかったといいます。
しかし最近は、先程説明したような理由から、高い需要に対し生産が追いつけず価格が高騰しています。その結果、買取のハードルが下がったのも一理あると思います。
また業者さんの話を聞いていて、海外に買取商品を流すことが全般的に増えてきたことも理由の一つなのでは?と感じました。
日本ではデザインが古かったりして買い手のつかないジュエリーも、海外だとそのまま売れることも多く、そういったものは買取価格もつけやすいそうです。
特にバブル期に出回っていたジュエリーは質の高い宝石を使っていることも多く、海外業者に人気が高いといいますよね。
それとは話が少し別ですが、真珠も海外需要が高いため、日本で買い取ったものを選り分けて海外に流しているとも聞きましたよ。
真珠の価格高騰いつまで続く?
この価格高騰はいつまで続くのでしょうか。
やはりポイントは、真珠の生産量をどれほど増やすことができるかだと思います。
先ほどお伝えしたように、アコヤ貝の大量死の原因が新種のウイルスや海水温の上昇などであると解明されました。
ただし、原因が特定できてもすぐに解決できるわけではなく、今はまだ対策を模索している段階のようです。
また、アコヤ真珠を作る養殖業者が年々減っていることも生産量に影響を与えています。1993年から2018年の25年間で約7割も減少しているのだそうですよ。
そうなるとまだまだ需要超過は続きそうですね。
|
真珠を高く買い取ってもらうには
そんな注目されている真珠はどうすれば高く買い取ってもらえるでしょうか。
売りたい時に注意するポイントと、将来的に売りたい場合のポイントをそれぞれまとめてみました。
今すぐ売りたい場合
まず、買取専門店などに行く時には購入した際にもらった付属品(ケース、鑑別書、保証書など)を必ず一緒に持って行くようにしてください。
MIKIMOTOやTASAKIのような有名ブランドであれば、それを加味した上で査定を出してもらえます。
これも買取業者から聞いた話なのですが、海外は偽物も多く出回っているので付属品の有無をとても気にするそうです。
買取額が上がる可能性があるので、忘れずに持っていきましょう。
将来的に売るかもしれない場合
将来的に売るかもしれないな・・・とお考えなら、まずは真珠を丁寧に使うことから始めてみましょう。
真珠はデリケートな宝石です。
汗、ヘアスプレー、化粧品がついたまま放置していると、変色したり劣化してしまう恐れがあります。
身に着けた後、柔らかな布で拭いてあげるようにしましょう。
それだけでも光沢の状態が違ってきますよ。
また、連ネックレスの場合、糸が切れかかる前に定期的に糸替えをおこなうのも大切です。
糸が伸びてしまうと真珠同士に隙間ができてしまい、見栄えが悪くなってしまいますし、万が一、糸が切れて床に散らばってしまった場合、紛失したり、傷ついてしまうピースがあるかもしれません。
状態が悪くなってしまうと、どんなに高級品だったとしても、価格が大幅にダウンしてしまったり、買い取ってもらえなくなる可能性も十分ありますので、良い状態をなるべく長くキープするべく、定期的なメンテナンスを怠らないことをおすすめします。
▼真珠の買取についてもっと詳しく知りたいかたはこちらを参照ください
最後に
真珠価格が高騰している件と最新の買取事情についてお話しました。
アコヤ貝の大量死により供給量が大幅に減ったにも関わらず、世界的な需要の増加により価格が高騰し、結果的に少し前までは断られることが多かった真珠の買取にも変化があらわれました。
大切なジュエリーを手放す将来のことは考えにくいかもしれませんが、自分が長く楽しむため、家族に受け継ぎやすくするためにも、日々のお手入れは大切です。
身に付けた後に柔らかい布で拭いてからしまう癖と連ネックレスの場合の定期的なメンテナンス、ぜひ心がけてみてください。
長く楽しめ、かつ、もしもの時の買取額に影響を及ぼすと考えたら、難しいことではないのではないでしょうか。
日本人にとても縁深く、世界中で愛され続ける真珠。一日も早くアコヤ真珠の生産量が戻り価格が落ち着くとともに、同じような事態に陥らない環境が整うことを願うばかりです。
真珠の美しさをこれからもずっと楽しめますように。
カラッツ編集部 監修
























