宝石にまつわるマナーって?お葬式にダイヤはOK?
普段行きなれていないフォーマルな場所に行く時やビジネスシーンなどで、ふとジュエリーをどこまでつけて行って良いか迷うことってありませんか?
先日、こんな質問をされました。
「明日お葬式があるのですが、パールのネックレスもイヤリングも持っていません。あるのは小さなダイヤのついた婚約指輪だけ。これって着けていっても良いのでしょうか?」
お葬式につけて良い宝石といえば「パール」というのが常識です。
結婚指輪でも大きめのダイヤがついているような場合は控えるのがお葬式でのマナーと言われています。
ただ最近のお葬式はシンプルになる傾向があるそうです。
葬儀と火葬のみを1日で執り行う「一日葬」や家族だけで行う「家族葬」、「樹木葬」など。中には喪服を着ないカジュアルなスタイルで行うお葬式もあるとか。
そんな多様化、簡素化しつつあるお葬式にもやはり「パール」以外の宝石はしてはいけないのでしょうか。
また、それ以外にも宝石にまつわるマナーってあるのでしょうか?
今回はそんなお話を幾つかご紹介いたしましょう。
お葬式にまつわる宝石のマナー
お葬式は、亡くなった故人との最後の別れをする場所。悲しみの席には結婚指輪以外のアクセサリーは着けないというのが常識です。
もし何か1点身に着ける場合は、涙を連想させるパールがベター。 「不幸が重ならない」という意味でネックレスは一連、イヤリングやピアスをする場合も一粒タイプが良いとされています。
勘違いする人が多いのがお葬式の宝石は黒か白ならOKだと思っている人。
確かにパール以外にもオニキスやジェットという輝きの少ない黒のアクセサリーはOKとされていますが、光り輝くダイヤモンドは遠慮するのが常識です。
ただ、前に一度、片耳だけダイヤのピアスをしてお焼香している若い男性を見たことがあります。黒の喪服に小粒のダイヤのピアスは控え目でエレガントな雰囲気。お葬式の厳かな悲しみの場面にも意外と溶け込んで見えました。
前述したように、最近のお葬式は多様化しています。ごく親しい人だけのお葬式の場合、故人や遺族に失礼に値しない程度なら、色のついていない目立たない宝石であれば個人的には身に着けてもOKなんじゃないかなと最近は少し思っています。
日常生活での宝石にまつわるマナー
冠婚葬祭の中で宝石にまつわるマナーがあるのはお葬式ぐらい。結婚式など華やかな場面ではお気に入りの宝石をどんどん身に付けて出席しましょう。
日本ではせっかく買った宝石をタンスの肥やしにする人が多いので、欧米と比べるとジュエリーを身につける機会がとても少ないといわれています。
宝石はあなたの人生のパートナー。お気に入りの宝石を身につけているだけで気分が上がりハッピーになります。普段から身につけて楽しんでください。
そんな日常生活で、もし宝石にまつわるマナーがあるとすれば考えられる場面は2つ。
ビジネスのシーン、とお茶席でのマナーです。
ビジネスシーンでの宝石のマナー
ファッションやアパレル関係ならともかく、ごく普通のビジネスパーソンが会社につけていくなら目立たないシンプルなデザインのものがやはりベター。人目を引く大きな宝石は、もちろん会社にもよるとは思いますが、あなたが社長やオーナーでなければ基本的には避けるべきでしょう。
ある宝石の大好きな女性が、会社の会議の席で、人差し指に18金のシンプルな指輪をつけていただけで、後から「威圧的に感じる」と注意されたことがあったそうです。
もともと宝石は権力の象徴です。指につける宝石は左手は信頼と服従を表し、右手は権力と権威を象徴すると考えられていました。
大きな石のついた宝石やデザインの目立つものはアフター5まで我慢したほうがいいかもしれませんね。
お茶席での宝石のマナー
もう一つ忘れてはいけないのがお茶席での宝石のマナーです。お茶室は俗世間から離れて侘び寂びを味わう場所。雰囲気を壊すような服装はもちろん、宝石類は結婚指輪まで外すのが本来のマナーです。
宝石が茶道具に当たって傷をつけたり、煩わしい音を立てないようにとの配慮からくるマナーですが、正式なお茶席ではマニキュアも厳禁なこともあります。
お茶室ではお茶だけを楽しむ場所。着物以外なら、シンプルで上品な服装で出かけましょう。男性なら無地のスーツ、そして腕時計も外すのがマナーです。
最後に
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いかがですか。宝石にまつわるマナー。お葬式でのマナーは本当に変わりつつあるようです。
いずれにせよ、大切なのは宝石はTPOに合わせて楽しむことではないかと思います。宝石だけが人目を引くのではなく、全体のバランスを考えて身に付けてみてください。
私が素敵だなと思うのは王室の方々の宝石の着け方です。洋服はほとんど無地。そして必ずネックレスとイヤリングはお揃いで、帽子がアクセントになっていますよね。
宝石のTPOに迷われたら、王室の方々の真似をすればまず間違いありません。ぜひ参考にしてくださいね。
カラッツ編集部 監修