出典元:TVアニメ『宝石の国』公式サイト
宝石の国っていう漫画知ってる?と漫画好きの友人に聞いたところ、「あぁ、あの萩尾望都みたいな画風でなんかナウシカみたいな内容の漫画でしょ?」と言われました……。うーん、私的には、そこに「進撃の巨人」も混ざっているような気がしますが、とにかく面白いファンタジー漫画ですよね。
今回解説するのは、宝石の中でも特に希少性の高いアレキサンドライト。宝石店でもあまり見かけない石です。宝石の国の中では「月人の情報を収集・分析することが仕事」だというアレキサンドライトはどういう石なのか?今回も全力で解説します!
アレキサンドライトの特徴とは
(この先一部ネタバレを含みます。4巻までまだお読みでない方はご注意ください)
宝石の国4巻の中で、学校内に入り込んだ月人を見たアレキサンドライト。捕まったフォスに切るように懇願されますが、「ムリムリムリ!あたしホントは月人見るのもダメって先生に……!」と尻込みしますが、土壇場になって「仕方ない!」とボルツ並みの破壊力で月人を撃退します。
フォスは髪の色がいきなり赤に変わって変身したアレキサンドライトを見てびっくり。普段はおとなしいアレキサンドライトですが、やるときはやるキャラクターとして描かれています。
光の種類によって変色する強烈な個性
このアレキサンドライトの二重人格は、この石の持つ変色効果を現しているのでしょう。変色効果とは、あたる光によって色が変わる石のこと。
宝石の中ではガーネットやバナジウムが内包されたサフィアなども変色する特性があります。しかし中でもアレキサンドライトの変色効果は抜群です。
高価なアレキサンドライトは太陽のような自然の光の下では青色がかった緑色、白熱光の下ではワインのような紫がかった赤色になります。
アレキサンドライトの品質は
私が初めてアレキサンドライトを見たのは御徒町のルース屋さん。オーナーが興奮気味に、「1ctでこれだけ綺麗なアレキは珍しいんだよ!」と見せてくれました。しかし個人的には少し地味な石にみえました。
宝石の国の中でもアレキサンドライトは仲間から「月人マニア」と言われ、ルチル並みに専門分野に関して知識が深く物知りなイメージがありますが、全体的に地味なキャラクターな気がします。
同じ石でも品質は様々
宝石としてのアレキサンドライトは成分はクリソベリル。キャッツアイとは姉妹関係の宝石です。どちらも希少価値は高いものの、産出量が少なく、透明感がある石とくすんだ石では同じ石でも値段は全く違いますよね。
アレキサンドライトの主な産地はロシア、スリランカ、ブラジルなど。ロシアでは「皇帝の石」として大変人気がありましたが、鉱山が枯渇してしまい、今ではほとんど産出されなくなったといわれています。
最後に
アレキサンドライトが月人マニアになった意外な理由。それは5巻で初めて明かされます。宝石の国の中では、宝石たちが人間のような感情を持っているのは、「体内にインクルージョンという微生物が介在しているから」という設定ですが、実際の宝石ではインクルージョンがなければないほど透明度が高く、輝きが増します。
宝石の国の中のアレキサンドライトは、感情豊かで実は仲間思い。もしかしたらインクルージョンが多めの石なのかしら?と宝石屋としては想像してしまいます。皆さんはどう思われるでしょうか。
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カラッツ編集部 監修