柔らかいピンク色で心を癒してくれそうな、優しい雰囲気があるモルガナイト。
桜をイメージする色合いから2021年に4月の誕生石に追加されました。
もしかしたら、これをきっかけに知ったという方も多いかもしれませんね。
実はエメラルドやアクアマリンと同じベリルという鉱物で、カラーは淡いピンクからローズピンクまで割と幅があります。
微量のマンガンとセシウムが含まれることによってピンク色に発色すると考えられ、含まれる量や成分比によって色が変わります。
最近ジュエリーショップでもよく見かけるようになってきたモルガナイトですが、初めて購入する時は、何を見て選ぶべきか、気になることも多いですよね。
そんなモルガナイト初心者さまに向けて、モルガナイトを買う時に気にしたい、価値基準、市場価格、選び方のポイントなどお話していきます。
| ▽カラッツSTOREのモルガナイト▽ |
モルガナイトの価値基準
モルガナイトは色が濃く透明度が高いほど価値が上がります。
大きさも比例しますが、比較的大きい原石が採れやすいので、あるカラットを超えたらグンと上がるということは少ないです。
大きくて透明度の高いものでも比較的見つけやすい印象がありますよ。
色はオレンジやブラウン味があるものよりも純色のピンクが最も評価が高いとされています。
モルガナイトは、一般的に色の改善のため放射線照射処理がおこなわれています。
ただ、科学的に処理の有無を証明できないものも多く、鑑別書には「通常、照射処理が行われています」と記載されることが日本では一般的です。
一般的に行われる処理のため、放射線照射処理の有無がモルガナイトの価値に影響を与えることは基本ありません。しかし、どうしても気になるという方は避けた方が良いかもしれませんね。
モルガナイトの価格相場
ベリルの中で比較的希少性の高いモルガナイト。全般的に価格が上がりやすく、数万円以上するものが多い印象です。
とは言え、エメラルドやレッドベリルほどではなく、サイズやクオリティによっては一万円以下で探すことも可能です。
サイズが大きく色が濃く鮮やかな、いわゆるトップクオリティのものは数十万円以上するものもあります。
モルガナイトを選ぶ時のポイント
それでは具体的にモルガナイトを選ぶポイントを見ていきましょう。
基本的な価値基準はどれも変わりませんが、ルースで購入するか、ジュエリーとして楽しみたいかによって選ぶポイントは少し変わります。
モルガナイトは資産価値という点では、それほど期待ができない宝石です。
そういう意味では、自分の好みを優先しても良いと思います。
比較的大きなサイズが産出されることが多いため、ユニークなカットが施されていることも多いです。ピンと直感に響くものを探してみましょう。
ルース
ルースはジュエリーになっていない裸石の状態のことで、宝石をどの角度からも楽しめるのが魅力です。
ルースのまま持っているのも良いですし、ルースから選んでオリジナルのジュエリーに仕立てるのも特別感があっておすすめですよ。
ルースで購入する場合、360度確認ができるので、ジュエリーにセッティングされていると見えない裏の状態もチェックできちゃいます。
色んな方向から見て納得できるものを探しましょう。
お店で探す場合、ルースケースから出して見せてもらえるところもあるので店員さんに相談してみてくださいね。
ピンセットで挟んでルーペで見るとより観察しやすくなりますが、慣れていない場合は手の甲を上にして指の間に乗せてもらったりトレイに乗せて眺める方が宝石が落ちる心配がなく安全ですよ。
ルースのまま楽しみたい場合
ルースは宝石の魅力をそのまま感じたいという人にピッタリな楽しみ方だと思います。
モルガナイトは大きいものも比較的手に入りやすいので、ジュエリーにするには大きすぎるサイズや深さのあるものをあえて選ぶのも良いかもしれませんね。
私はルースで楽しむ場合は出来るだけ大きく迫力があるものを選ぶようにしています。
価値基準を重視して購入するのもいいですが、コレクションとして楽しむのであれば自分の好みを優先して選ぶと良いと思います。
淡い色は背景色によって印象が変わるので、トレーの色を変えたり手に乗せて印象の違いを比べてみるのも良いですよ。
保管するときはルースケースに入れておくのがおすすめ。他のルースとぶつけてしまう心配がありませんし、管理がしやすいですよ。
ジュエリー加工して楽しみたい場合
自分の気に入った宝石を使ってオリジナルのジュエリーを作るのはとってもワクワクしますよね。
加工する前提でルースを選ぶ場合は、まずどんなジュエリーにしたいかをイメージして選ぶと良いでしょう。
宝石の色は加工するとルースの状態からワントーン濃くなる傾向があります。
手の甲を上にして指と指の間に乗せると、加工した時の色になるので参考にしてみてくださいね。
もう一点気をつけたいのが宝石の厚みです。分厚過ぎるとジュエリーにする時にバランスをとるのが難しくなってしまうんですよ。
かといって薄過ぎるとガードル部分(縁)が薄く欠けやすくなってしまいます。
美しくバランスの取れたものを探すのは大変ですが、これだ!と思うものを見つけた時の喜びはひとしおですから、じっくり探してみてくださいね。
ジュエリー
モルガナイトのジュエリーを探す時にはモルガナイトの品質だけでなく、どんなデザインかもかなり重要ですよね
さらに地金の色によって全体のイメージが変わります。
一般的に予算、お洋服のテイスト、肌の色などに合わせて選ぶ方が多いと思います。
デザイン以外でチェックするポイントは裏側です。
ジュエリーの良し悪しは裏を見ればわかると言われていて、良いジュエリーは裏の作りが丁寧で肌あたりがとても気持ちが良いものが多い印象があります。
他にも、宝石がしっかり留まっているかなども念のため確認しておきたいですね。
ジュエリー選びは身に付けてチェック
私はお客様にどれだけ一目惚れしたとしても、可能であれば必ず購入前に身につけてみるようにお伝えしています。
これはジュエリーは実際に身に付けてみないと、本当に自分に似合っているかどうかわからないからです。
気に入ったジュエリーが見つかったとしても、手の大きさやデコルテの印象によっては違うデザインにした方がバランスが取れていて素敵に見える・・・なんてことがあるんですよ。
他にも「見た目はいいけど意外と飛び出していて引っかかりやすいな」「派手そうに見えるけど、意外と日常使い出来そう!」と着けてみて初めてわかることもあります。
店舗で購入する際は出来るだけ身に付けて選んでみてください。
原石
宝石の美しさと鉱物の面白さを両方楽しめる原石はちょっとマニアックですが、ハマると次々と新しいものを揃えたくなる魅力があります。
一つずつ形、色、特徴が違っているのも面白いですよね。
モルガナイトは透明感があるものが比較的多いので、原石の状態でも十分美しいものを見つけることができると思います。
母岩が一緒に付いているタイプも地球の神秘を感じることができて素敵ですよ。
一般的には原石のまま販売していることが多いですが、美しい原石をそのままジュエリーに仕立てているものもたまに見かけます。
原石は形が天然のままで歪なため、きっちりジュエリーに留まっているかを確認しておくと良いと思います。
最後に
愛らしい色が魅力のモルガナイトは、色の美しさと透明度が価値のポイントでした。
基本的な価値基準で選ぶのも良いですが、自分の感性にあったものを選ぶのも一つです。自分にあったモルガナイトを探してみてくださいね。
宝石に関わる仕事をしていてつくづく思ったのは、宝石の出会いは一期一会だということ。
そして自分の心に響く宝石に出会えるのは奇跡のような確率なんだということ。
あなたの特別なモルガナイトが見つかりますように・・・。
カラッツ編集部 監修























