ターコイズ、というよりも、「トルコ石」といった方が馴染みがあるかも。
12月の誕生石、「ターコイズ」がトルコ石と呼ばれる理由は、古代ペルシアやエジプトで採れたターコイズが、トルコを経由してヨーロッパへ運ばれたためだといわれています。※諸説あり
男性にも人気が高いターコイズ(トルコ石)。あなたがこの石を買う時に知っておいたほうが良いポイントを3つご紹介しましょう。
ターコイズ(トルコ石)は99%加工処理されている?
ターコイズ(トルコ石)が採れるのは、イラン、エジプト、アメリカ南西部などの砂漠地帯や、チベットなど雨が少ない乾燥した地域だといわれています。
地下水の中に銅とアルミナと燐(リン)が溶け込むことで形成が始まり、微粒子状の結晶が集合して塊になるのだとか。
結晶が水の中から沈殿して成長するので、宝石となっても水分を取り込みやすい性質があり、研磨や加工する時に研磨剤や水が染み込んでターコイズ(トルコ石)の綺麗なカラーが汚れてしまうことがあるそうです。
そのため、ほとんどのターコイズ(トルコ石)には、前もって液状の合成樹脂を染み込ませて組織の隙間を固めて研磨しやすくする処理が行われているそうです。
この処理のことを「スタビライズ」と呼び、その後表面にワックスをかけて艶を出します。
こう書くと、ターコイズ(トルコ石)は「天然石」でないように感じるかもしれませんが、そんなことはありません。
宝石に施される処理には、それをすることで価値が大きく変わるものもありますが、その宝石の特質などを考慮し一般的に施されることから、価値を大きく落とさないものもあります。
ターコイズの場合もスタビライズを始めとした処理が施されていることが一般的で、それだけで価値を大きく下げてしまうことはないといわれています。
逆に処理を施さなくても丈夫で美しいものが見つかれば、それはその稀少性の高さから価値高く扱われることはあると思います。
ターコイズ(トルコ石)はカラーが決め手!
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「天空の宝石」
古代の人々はターコイズ(トルコ石)をそう呼び、天の上に住む神々の力が宿っている石として大切にしていました。
ターコイズ(トルコ石)の歴史は古く、メソポタミアでは紀元前5000年のターコイズ(トルコ石)のビーズが発見されています。
ターコイズ(トルコ石)の魅力は何と言っても明るい空色です。
中でもティファニーカラーと呼ばれる美しい水色は誰にでも愛される色。
まさに、ターコイズブルーと呼ぶにふさわしい色で、個人的には一番オススメのカラーです。
ターコイズ(トルコ石)の色は成分の鉄と銅の配分によって変わります。鉄を多く含有していると緑に近い色になり、銅を多く含有していると青に近い色になります。
なお一般的に、「チベットや中国産のターコイズは緑色が強く、イラン産のターコイズは青色が強い」といわれていますが、ターコイズ(トルコ石)は産地鑑別のできる石ではありません。
そのため、緑色が強いから中国産、青色が強いからイラン産と決めつけることはできませんのでご注意ください。
また、内包物の作用で黒色や褐色の網状の模様が入ることもあります。網目模様の入ったターコイズ(トルコ石)はネット・ターコイズまたはスパイダーウェブ、スパイダーネットなどと呼ばれます。
ターコイズ(トルコ石)を扱うときの注意点
ターコイズ(トルコ石)は、空気に触れると青い色が緑色に変わる、と言われるぐらい変色しやすい宝石です。
その変色を防ぐために前述したような樹脂含浸やカリウムガラス処理といった加工がされています。
しかしそれでも表面に汚れが染み込みやすいため、薬品などに浸けたり、プールや温泉といった場所では外すなど、取り扱いには十分注意してくださいね。
また、ターコイズ(トルコ石)はモース硬度が5~6と硬度がそれほど高くはありません。
やすりで簡単に傷が付きますし、窓ガラスよりもやや硬い程度ですから、扱い方によってはヒビが入ったり最悪割れてしまうこともあります。
おおむね取り扱いには注意した方が良いでしょう。
最後に
12月の誕生石
明るい空色の石ターコイズ(トルコ石)。
この石は長く使っていると色艶の変化や退色がおきやすいため、「危険を知らせる石」としてむしろお守りとして愛されてきた歴史があります。
欠点がむしろ長所になる。そんな不思議な魅力がターコイズ(トルコ石)が愛される理由かも知れませんね。
カラッツ編集部 監修