ダイヤモンド4Cの「カット」って? 押さえておきたい基礎知識
ダイヤモンドの評価は4Cと呼ばれるカラー、カット、クラリティ、カラットの4つのCが基準になっています。
なかでも「カット」は、ダイヤモンドの輝きを左右する重要な項目です。
どんなに素晴らしいダイヤモンドの原石でも、カットが良くなければその石の良さを十分に発揮することができません。
ダイヤモンドジュエリーを楽しむために知っておいていただきたい、ダイヤモンドカットについてご紹介します。
目次
ダイヤモンドの輝きを決めるカット
ダイヤモンドの最大の魅力である「輝き」を存分に引き出してくれるのが「カット」です。
光を最大限に取り込み、輝きを増幅させてくれるのが良いカット。
ダイヤモンドの輝きは、とても多層的です。
シンチレーション:表面きらめき
ブリリアンシー:深部からの輝き
ディスパレーション:プリズム効果で生まれる虹色の輝き
これらの要素を引き出すのが、カットを手掛ける職人の技なのです。
カットのグレーディングの条件とは?
ダイヤモンドのカットにはたくさんの種類があるのですが、鑑定書に記されるカットの形状は「ラウンドブリリアントカット」のみです。
4Cの内、ほかの3つの要素は、ダイヤモンドが生まれ持ったものであることに対し、カットだけが人の手で加えられる要素です。
つまり、カットの良し悪しは、ダイヤモンドをカットする職人の手にかかっています。
ダイヤモンドの鑑定書に記されるカット評価は、次の3つの条件をクリアしたものです。
①ラウンドブリリアントカットのもの
②クラリティがFL~I3以内
③カラー評価がD~Z以内(Zを超えるファンシーカラーダイヤモンドには、詳しいカット評価はされません)
カットの評価のポイント
上記の3つの条件をクリアしたら、カットの評価に入ります。ポイントは次の2点です。
①プロポーション
3850万通りもあるGIA Facetware Cut Estimatorデータベースに当てはめて、プロポーション要素を照合します。
テーブルサイズ、全体の深さ、クラウンの角度と高さ、パビリオンの角度と高さ、ローワーハーフの長さ、ガードル厚を評価します。
②フィニッシュ
「フィニッシュ」では、研磨の仕上がりやシンメトリー(対称性)が美しく仕上がっているかを評価します。
細部の正確さと研磨の質を目視で評価します。
カットのグレード
「プロポーション」と「フィニッシュ」を評価したら、総合結果としてグレードが決まります。
カットのグレードは5段階に階級分けして、鑑定書に記されます。グレードは次の通りです。
excellent(エクセレント):最高級
verygood(ベリーグッド):とても理想的
good(グッド):理想的
fair(フェアー):やや劣る
poor(プアー):劣る
最高級のカット
では、最高級のカットとはどんなものでしょうか?
これを知っておくと、また一段と理解を深められるので良いですよ!
トリプルエクセレント
鑑定書の「カット」「ポリッシュ」「シンメトリー」の欄で3つともエクセレントと評価されたものを、トリプルエクセレントと言います。
カットの要素のすべてが最高級という,素晴らしい仕上がりの石です。
ハート&キューピッド
ハート&キューピッドは、対称性に優れたバランスの良いカットのダイヤモンドに現れる現象です。
専用の装置で見た時に、テーブル面に8つの矢が、そしてパビリオン側には8つのハート型が現れます。
4Cの中でとても重要な「カット」
ダイヤモンドの繊細で美しい輝きはカット次第。
カラーやクラリティのグレードが低くても、カットの評価が高ければ、ダイヤモンドは輝きます。
逆に、カラーやクラリティのグレードが高くても、カットの評価が低ければ光が正確に入らず、輝きがさほど良くならないこともあります。
それほどカットは重要なのです。
ダイヤモンドジュエリーを選ぶ時、ぜひ鑑定書のカットの欄にも注目してみてくださいね。
カラッツ編集部 監修