何かの本に書いてあった
「1万円札の原価は22円。」
という言葉。うーん、22円。これは22円の紙……。それ以来1万円札を見る目が若干ヒヤヤカになったワタクシ。
この労働意欲が減りそうな事実をどう受け止めるべきかモヤモヤ……。(ちなみに10円の原価は10円だそうです。)
それに比べて、ダイヤモンドは本当に美しい!昨日も今日もそしてきっと来年も。お値段そのままの美しさはまさに永遠の輝き。
アイドルグループには「卒業」という2文字がチラつくこともありますが、宝石の価値はエンドレス。原価が0円になることは決してありません。
目次
そのダイヤモンドはホンモノ?
しかし!想定外な場合もあります。それは
「そのダイヤモンドがニセモノだった時。」
あなたはダイヤモンドを買う時、本当にそのダイヤモンドが本物か分かりますか?
ダイヤモンドの真贋は本当に難しいです。
カラスの視力は10.0あるそうですが、そんなカラスでさえもきっと偽ダイヤは看破できないでしょう。
だったらわからないことはプロに聞こう!ということで、
御徒町で活躍する宝石鑑定士さんにお話を聞いてきましたので、そのレポートをお届けします!!
まずはプロがダイヤモンドを鑑別する方法を聞いてみた
ダイヤモンドの蛍光性を調べる
「まず、ダイヤモンドはですね、大体の石は長波紫外線を当てると薄い青から濃い青まで青い蛍光色が出るんですよね。」
おぉ、いきなりの衝撃の事実。本物のダイヤモンドは青く光るんですね!と、自分の指にはめていたダイヤを見る私。あら、どう見ても青くない……。
今回お話を伺ったのは、GIAで宝石を学んだという鑑定士のAさん。伺った場所はいわゆるラボ。室内には初めて見る宝石を鑑定する機械がたくさん。ワクワクします。
「それはダイヤだけなんですか?」
「いや、他の宝石も色々光るんですけれども、ダイヤは流通量が多いので、ま、そういう石はいっぱいありますけれどね。まずはこれで見てもらうとわかるんですけど・・」
とAさんが機械にダイヤをはめ込んで上から見せてくれました。
「あ、青く光ってますね!」
「はい。これがダイヤの蛍光なんですね。つまりは紫外線を当てると別の光を出す。これをダイヤの蛍光性と言います。この機械はいろんな宝石に使えます。蛍光が出るから、この宝石は本物、逆にこちらは出ないから本物っていう1つの目安になります。」
「なるほど〜。」
「しかしこれには注意も必要です。例えば、ダイヤの場合、色のカラーがDからZまで分かれます。
Dは一番無色透明な色。反対にZはファンシーカラーになっちゃうんですけど。
大体のダイヤはE、F、G、Hカラーになると黄色味を帯ます。
青の反対色は黄色なので、例えば蛍光の強い黄色のダイヤに紫外線を当てると色を打ち消して無色に見えるんです。
ですからこのG、H、Kカラーのダイヤを外で見ると無色に見えるんですよ。」
なんですと!これは気をつけないといけませんね。ダイヤモンドの4Cの中で、カラーは結構重要です。
「逆に無色透明なダイヤで、蛍光が強い石は、外で見ると青白く光ります。これを知っていると、お買い求めの際にお得なダイヤを手に入れられるかもしれないですね。ま、外限定ですけどね。」
うーん。皆さん、ダイヤモンドを買うときは、ぜひお天気の良い日に路面店で買いましょう!
そして海外などでダイヤモンドを買うときはブラックライトを当てて青く光るかチェックしてみてもいいかも知れませんね!
「ただ、青すぎるダイヤ、オイリーに見えるダイヤは安くなることもありますから注意が必要。ダイヤは本物でも、鑑定するとややグレードが下がってしまうこともあるんです。」
とのこと。そして、すべてのダイヤモンドが青く光るわけではありません。本物でも青く光らない石もありますので、それもご注意下さいね。
蛍光性を調べるための機械はコレ!
かなりマニアックな内容になりますが、せっかくなのでダイヤモンドの蛍光性を調べる機械とその原理を簡単にご説明いたします。
「これは、長短波両用紫外線ライトという機械です。鑑別機関で働かない限り、この機械を操作することは無いと思いますが、一応使い方を。。。機械の左側のボタンを押すと、左側から短波紫外線蛍光が出て、右側のボタンを押すと、右側から長波紫外線蛍光が出ます。」
「ふむふむ。」
「それで、左側からでる光を当てた時、つまり短波を当てたときに、強く光ると合成や処理石と疑うことが多いです。天然石に短波を当ててもあんまり輝かないですが、合成石ですとギラギラと輝いて見えるんです。逆に本物のダイヤモンドに長波を当てたら、全部ではないけれど、光ります。先程も言ったように、ややこしいですが、光ったらダイヤ、光らないものの中にもダイヤがある。ということですね。」
「なるほど!」
ちなみに長波は、ブラックライトの光と同じ、紫外線だそうです。
最新式のダイヤモンドチェッカーはコレだ!
蛍光性を調べる以外にも、ダイヤモンドを鑑定する方法はあります。
Aさんのラボには宝石を鑑定するさまざまな機械が置いてありましたが、その中でも(私には一番地味に見えた)この機械。これが実はGIAが出した一番新しいダイヤモンド鑑定機なんだそうです!お値段はなんと60万円弱。
「最近は合成ダイヤでも、色も大きさも良いものができるようになりました。かなり本物に近い合成ダイヤもあります。でもこの機械の先端をダイヤに当てて、「Pass」と言えば天然のダイヤなんです。」
そして実際にダイヤモンドに当ててやってくれたAさん。
この最新型のダイヤモンドチェッカーはやり方が随分とシンプル。ちょんちょんとダイヤに機械の先を当てるだけで簡単に天然かどうかの真贋が判別できます。(この機械があれば、鑑定士はいらないかも。。。?)
「最近は小さいメレダイヤの合成石も増えてきたので、こういう短時間で処理できる機材のニーズがすごい強かったんですよ。」
1石2秒で鑑定できる!
「今までは、ダイヤは先ほどの機械の他に顕微鏡で見たり時間を図ってグラフを確認するなど、時間がかかるやり方でしか鑑定ができなかったんですよ。でもこれだと、ダイヤ1石2秒で立て続けに鑑定できます。」
マジですか!最近はダイヤの鑑定は2秒でわかる!これならやっぱり、ダイヤモンドはプロに鑑定してもらったほうが確実ですね。素人があれこれやるよりもずっと早く正確に、真贋を確かめることができます。
では素人がダイヤモンドを見分けるには結局どうしたら??
素人がダイヤモンドを見分けるためには、いくつか方法があります、
まず、ダイヤモンドの蛍光性を利用して、ブラックライトを当ててみる方法があります。ブラックライトは2000円位から売っているので手軽に試すことができますが、
ブラックライト当てる前の写真です。
ブラックライトをダイヤモンドに当てると写真のように青く光ります。ただし、本物のダイヤモンドのなかには、蛍光性が無いダイヤモンドがあるので、これはブラックライトでは見分けられません。
ほかには、ダイヤモンドテスターを使う方法もあります。ダイヤモンドテスターは5,000円から売っていますが、機械の質が様々で、モアッサナイトまで判別する機械だと25,000円近くします。
写真のものは、モアッサナイトと判別できるダイヤモンドテスターです。ちなみにダイヤモンドテスターは、ダイヤモンドの持つ熱伝導性を利用して、判定しているようですよ。
素人が自分が持っているダイヤモンドを鑑定する機会ってあんまりないと思いますが、興味がある方は、試してみては?
最後に
いかがですか。素人でもできるダイヤモンドの鑑定の方法。
それは、多くのダイヤモンドが持つ紫外線やブラックライトを当てると青く蛍光するという、蛍光性をチェックするというもの。
蛍光するダイヤモンドは本物。
ただ、ココで注意すべきは青く蛍光しないものが全て偽物というわけではないということ。紫外線を当てても全く蛍光しない天然のダイヤモンドも中にはあるのです。
なので、この方法はあくまでもダイヤモンドを買うときの1つの目安位に覚えておいて下さいね。やはり最後はきちんと鑑定士さんにお願いしてみないと本当の事は分からないです。
今回は大変貴重なお話を聞かせて頂きました。
Aさん他の皆様、本当に有難うございました!
カラッツ編集部 監修