コバルトスピネルの魅力!ブルースピネルとはどう違う?

コバルトスピネル ルース

カラーバリエーションが豊富な宝石スピネル

レッド、ブルー、パープル、グレー、ピンク、オレンジなど多彩です。

中でも人気が高いのがレッドブルー

実はブルーを発色するスピネル一種類ではないとご存知でしょうか。

ブルースピネル以外にコバルトスピネルと呼ばれる種類があり、コレクターを中心に大変人気があります。

コバルトスピネルとブルースピネル、その違いは何なのでしょうか。

価値市場価格なども気になるところですよね。

そこで今回は、コバルトスピネルについて特徴ブルースピネルとの違い価値基準市場価格などお話していきたいと思います!

スピネルとは

スピネル ルース

酸化鉱物の一種であるスピネルは、冒頭でも触れたように、レッドを始めとした多くの色が存在する宝石です。

同じ鉱床から見つかったり、外観や特徴が似ていることから、かつてはルビーサファイアと間違われることも多かったといわれています。

イギリスの王室ジュエリーの中に、かつてルビーと思われていたレッドスピネルがあることも有名ですね。

原石の形がダイヤモンドと同じ正八面体のものが多く、こちらもコレクターの間で人気があります。

スピネルについて詳しくはコチラ

スピネルの発色要因

スピネル 原石

レッドブルーパープルグレーピンクオレンジなど多彩な色が存在するスピネルですが、色の発色要因は主に微量元素の違いによるものと考えられています。

含まれる微量元素がそれぞれ異なるため、色も変わるという訳ですね。

レッド系クロムイエロー系亜鉛マンガン、そしてブルー系コバルト影響しているそうですよ。

ブルー系のスピネルは、鉄とコバルトの含有量によって色の濃淡や鮮やかさが異なると考えられています。

コバルトスピネルとは

コバルトスピネル ルース

ブルー系のスピネルには、鉄とコバルトが含まれるとご説明しました。

勘の良い方はもう何となくお分かりになったかもしれませんが、コバルトスピネルとは、発色要因にコバルトを多く含みブルーを発色しているものを指します。

つまり、

ブルースピネル・・・鉄が多くコバルトが少ないもの

コバルトスピネル・・・鉄が少なくコバルトが多いもの

です。

コバルトスピネルは鉄とコバルトの含有量の差で色味に違いが出ます。

鉄の含有量が少なくコバルトが多いほど鮮やかなブルーを呈すると考えられているそうですよ。

コバルトスピネルは産出量が少なく流通量も限られているため、希少価値高く扱われます。

ただし、コバルトスピネルは正式な宝石名ではないため、鑑別書にはブルースピネルスピネルとだけ表記されます。

備考欄に「コバルトバンドを認む」と記されていたら、それはコバルトスピネルということになります。

ブルースピネルとの違い

コバルトスピネル ブルースピネル ルース

画像:左-コバルトスピネル 右-ブルースピネル

コバルトスピネルと一般的な鉄発色のブルースピネルとの違いをもう少しご紹介しましょう。

コバルトスピネルの方がより鮮明で濃いブルーをしているほかに、中には変色効果をもつものもあるそうです。

また、コバルトスピネルはチェルシーカラーフィルターを通して見ると、鮮やかなレッドに見えるといいます。

鉄発色のものはレッドに見えません

コバルトを多く含む処理石は、未処理のものよりも鮮明なレッドに見えるそうです。

つまり、コバルトが赤く反応しているということなのでしょうか!?

 産地

コバルトスピネルは、主にスリランカベトナムで産するといわれています。

 色

前述したように、コバルトスピネルは鉄発色のブルースピネルに比べて、鮮やかで濃いブルーをしています。

鉄を多く含むとグレーやグリーンがかった暗いブルーになり、コバルトの含有量が多いほど鮮やかなブルーになると考えられています。

コバルトの濃度によって彩度が変わるそうで、コバルトが多くて鉄が少ない鮮やかなブルー、コバルトの含有量が中程度で鉄が少ないものは、明るくて薄いブルーになるそうですよ。

コバルトスピネルの歴史

かつて、産出されるブルースピネルは鉄発色によるダークで彩度の低いブルーのものが多かったといわれています。

ある時コバルト発色による濃くて鮮やかなブルーのものが発見され注目を浴びます。

さらに近年ではベトナムで濃くて鮮明なものや明るいブルーのものが見つかり、再注目されています。

石によっては、自然光の下ではブルー白熱灯などの下ではレッドパープルに変化するカラーチェンジタイプも見つかっているそうです。

コバルトスピネルに施される処理

コバルトスピネルは他のスピネルと同様に、人工処理が施されていないものが多いようです。

しかし、タイのバンコクで表面拡散処理を施されたものが見つかったという報告もあります。

GIAがこれらのサンプルを検査した結果、内包物の変化やひび割れの修正が見られるなど、高温による加熱処理を施した証拠が見つかったそうです。

人工処理済みのスピネルは、チェルシーカラーフィルターを透してみると、大変鮮やかな赤色に見えるのが特徴的です。

コバルトスピネルの価値基準と市場価格

コバルトスピネルを購入される際の参考までに、評価の基準価格相場、そしてどこで買えるのかなどを簡単にご紹介しますね。

価値基準

カラー

まず、コバルトスピネルの価値で最も重視されるのはです。

鮮やかなブルーをしたものほど価値が高くなります。

例えば写真のような濃くて鮮明な発色をするものは、高く評価されます。

但し、色味が深くなり過ぎると、評価も低くなります。

さらに、発色元素としてコバルトが多く鉄が僅かのものは高い価値が付きます。

透明感

一般的に鮮やかなブルーを呈するコバルトスピネルはインクルージョンが多いという特徴があります。

そのため、内包物やキズ、色むらなどが少なく、透明感の高いものは非常に高く評価されます。

カット

色や輝きが美しく表現されており、プロポーションの整ったカットを施したものほど高評価になります。

カラット

カラットは大きいほど価値も高くなります。

全般的に小さな結晶が多いため、1ctを超えると価格が大きく上昇する傾向にあります。

市場価格

コバルトスピネルは、グレーがかったブルースピネルと比較すると、カラット当たり10倍から100倍の価値があるとされています。

産出量が少ない上に小粒のものが多いことから、クォリティによっては0.1ctほどの大きさでも数万円の価格が付く場合があります。

1ctを超えるとグンと価格が上がり、クォリティによっては数十万円以上するものもあります。

さらに、鉄が僅かでコバルトが多いものは更に価格が上がります

例えば、コバルト発色で1ctアップのトップクオリティであれば、数千万円以上の価値が付くものもあると推測されます。

どこで買える?

産出量が少ないといわれるコバルトスピネルですが、オンラインショップを中心に、原石やルースの取り扱いが多いお店などで販売されていることが多いようです。

ミネラルショーや宝石展示会でも比較的よく見かけるようになりました。

コバルトスピネルは高額のものも多いと思います。

高額のものは特に、信頼のおける鑑別機関の鑑別書が付属しているか、オプションで付けられるお店を選ばれることをオススメします。

購入者の評価や口コミなどを確認したり、不明な点はお店に問い合わせてみるなどして、後悔しない買い物をしてくださいね。

最後に

スピネルの中でも人気が高いブルースピネル。

さらに、ビビッドなコバルトブルーを発色するコバルトスピネルは希少性も人気も上がります

光の中で青くキラキラと光る姿は本当に美しいです。

好みと予算にあった、素敵なコバルトスピネルにいつか出会えることを祈って・・・

カラッツ編集部 監修