明るく美しいオリーブグリーンの色をしたペリドットは、「カンラン石」と呼ばれるグループの鉱物の中で、品質の高い石を指します。
ローマでは、暗くなっても見えるほど輝きが美しいことから「夜会のエメラルド」と呼ばれていました。
日本で、ペリドットは8月の誕生石に選ばれています。
ではもっと具体的に、ペリドットはどんな石でしょうか?その魅力に迫ります。
ペリドットってどんな石?
隕石と似たような成分でできているペリドットを、古代の人々は「太陽の石」「太陽が爆発して飛んできた石」と、崇めてきました。
ペリドットの名前は、アラビア語が由来していると言われています。
和名は橄欖石(かんらんせき)。鉱物名は、オリーブ色をしていることから「オリビン」と言います。
ペリドットは、入ってきた光が二方向に進む「複屈折率」が特徴です。
ほかに複屈折率がある宝石は、ルビー、サファイア、エメラルドなどです。
美しい緑色は、含まれる鉄やマグネシウムによるもので、鉄分が多いほど緑色が濃くなり、マグネシウムが多いほど、黄色が濃くなります。
ペリドットの産地と歴史
紀元前1500年頃のエジプトの時代から、ペリドットは宝飾品として親しまれていたと言われています。
古くは紅海に浮かぶセントジョンズ島から十字軍によってペリドットが持ち帰られ、中世の教会の装飾に使われていたこともありました。
実際、なんと200カラット以上もの大きさのペリドットが、ドイツ、ケルン大聖堂にある「東方の三博士」の三つの聖堂を飾っています。
なお現在ではこのセントジョンズ島でペリドットは採掘されず、現在のペリドットの主な産地は、中国、ミャンマー、メキシコ、オーストラリア、アメリカ合衆国のアリゾナ州などです。
ちなみにペリドットの産地鑑別はできません。
石言葉と言い伝え
石言葉は、「平和、幸福、安心、夫婦の幸福」
太陽信仰が盛んだった古代エジプト王朝では、ペリドットの持つイメージから太陽神に見立て、国家の象徴として崇拝していました。
「太陽の石」ペリドットは、身に着けると、ネガティブなエネルギーを祓い、ポジティブなエネルギーをもたらす護符として珍重されました。
パートナーとお揃いでペリドットを持っていると、いつまでも良い関係を保てるなど、円満を保つお守りとしても言い伝えられています。
ペリドットの特徴とお手入れ方法
ペリドットは結晶状態がとても小さいため、大粒のものは多く流通していません。
地表に運ばれる際の減圧で、内部に亀裂が多く入ってしまいます。
石の強度は中程度ですが、この亀裂のためもろくなっているので、割れないよう取り扱いには注意しましょう。
水や紫外線には比較的強いので、水洗いも可能です。
ただし、水には強いのですが、熱湯は不可。
割れる可能性があるので、超音波洗浄機は避けましょう。
普段のお手入れは、「身に着けたら拭く」ということを心がけ、汚れたらぬるま湯に中性洗剤を溶かし、浸け置きして洗います。
洗った後は、やわらかい布でやさしく水分を拭き取りましょう。
まとめ
ペリドットは前述したとおり「複屈折率」がありますが、これは少ない光でも高い輝きを放つことを意味します。
それゆえに「夜会のエメラルド」の異名を持つのですが、その他にも「ハワイアンダイヤモンド」とも呼ばれています。
これは、その昔ハワイのマウイ島の休火山にキラキラした鉱物を見つけ、「ダイヤモンド発見!」と喜んだのも束の間、実はペリドットだった、ということが由来しています。
そんなキラキラ輝く太陽の石ペリドット。身に着けていると、そのパワーがもらえるかも!?
「パートナーシップを高めてくれる」と言われているので、ご両親や夫婦間のプレゼントにも最適ですよ☆
カラッツ編集部 監修