ダイヤモンドなどの模造石として扱われることの多い人造石キュービックジルコニア。
「ジルコニア」という言葉から略して「ジルコン」と勘違いされている方も居ると聞きますが、
ワタクシ、ココは声を大にして言いたい!
ジルコンとキュービックジルコニアは全くの別モノ。
似ているのは名前だけです!
何故ならジルコンはれっきとした天然鉱物。地球の中で何億年もかけて作られた魅力溢れる宝石なのです。
勘違いされていた!という方の誤解を解くため今回は、中でも最も人気が高いブルージルコンを中心に、ジルコンの魅力とキュービックジルコニアやダイヤモンドとの違いなどを熱く語らせて頂きたいと思います!
目次
疑問1:ジルコンとキュービックジルコニアはどう違う?
画像:左-キュービックジルコニア 右-ジルコン
冒頭でもご紹介したとおり、キュービックジルコニアとジルコン、名前が似ていることから混同されがちですが、全くの別モノです。
ラボで人工的に生産された人造石であるキュービックジルコニアに対し、ジルコンは地球の奥底で育ったれっきとした天然鉱物。
短時間で大量に生産される人造石よりも遥かに長い時間をかけてこの世に誕生しました。
しかもジルコンが誕生したのは約41億年前といわれ、地球最古の鉱物の1つと考えられています。
そのためジルコンを使って地層の年代を調べたりすることもあるようですよ!
どうですか、ジルコンは地球の歴史を知るための重要な役割も担う立派な天然鉱物なのです!
疑問2:ジルコンはどんな鉱物?
ジルコンはケイ酸塩鉱物の一種で、主に火成岩や変成岩の中に小さな結晶として産出されるといいます。
大きな結晶が花崗岩や閃長岩のペグマタイト(大きな結晶からなる火成岩の一種)から見つかることもあるそうです。
両端が大きく尖った八面体、もしくは四角柱状の形をしており、モース硬度は6.5〜7.5です。
和名は「風信子石(ひやしんすいし)」。
植物のヒヤシンスの香りが風に乗って運ばれることに由来して名付けられたそうです。
主な産地は、タイ、オーストラリア、南アフリカ、中国、インドネシア、ウクライナ、カンボジアなど。
日本では福島県の愛宕山などで産出されていたこともあるそうですよ!
ジルコンは、18世紀にスリランカで採掘された時からダイヤモンドにそっくりな石として宝飾品に用いられていたと伝わります。
ちなみにジルコンは産地鑑別のできる石ではありません。
疑問3:ジルコンの色と一般的に施される人工処理とは?
純粋なジルコンはカラーレスですが、イエロー、レッド、グリーン、褐色と多彩な色があります。
最も人気が高いのはブルージルコンで、少しグリーンがかった「エナメルブルー」が特徴的です。
淡いブルーのジルコンは「スターライト」と呼ばれることもあるそうですよ。
ちなみに、現在市場に出回っているブルージルコンは一般的に加熱処理が行われているといわれています。
一般的に行われるため、それによって著しく価値が下がることはありません。
疑問4:ブルージルコンの宝石としての価値とは?
ジルコンはダイヤモンドに似た輝きがあることからかつてはダイヤモンドの代用品として扱われていたこともあるといわれています。
カットによっては光の中でギラギラと輝き、いつまでも見ていたくなるような不思議な魅力をもっている気がします。
先程もお伝えしたとおり、ジルコンの中で最も人気があるとされるのがブルージルコンです。
色が鮮やかなもの程価値高く扱われ、更にクラリティ、大きさ、カットなどによって総合的に評価されます。
ちなみに、ブルージルコンの価格相場を調べてみたところ、クォリティの高いもので1カラットあたり3~6万円位でした。
時々見掛ける、素材がシルバーで数千円程度の値段で購入できるブルージルコンのアクセサリーはジルコンではない可能性もあると思います。ご注意下さいね。
疑問5:ジルコンとダイヤモンドの見分け方ってあるの?
画像:左-ブルージルコン 右-ブルーダイヤモンド
ジルコンとダイヤモンドの決定的な違いは、ジルコンは線が2重に見える複屈折という特長があることです。
この二つの簡単な見分け方は1本の髪の毛の上に並べて置いてみることです。
上から見たとき、髪の毛が2本に見える方がジルコンです!
ちなみに、上の画像でジルコンの方が少しブレて見えるのも複屈折性が影響しているからです。
最後に
いかがですか。
皆さんに一番知って欲しいのは、ジルコンとキュービックジルコニアは全く別の石だということ。
ジルコンは宝石としての価値がある鉱物ですが、キュービックジルコニアはジルコニウムの酸化物です。
硬くて錆びないのでセラミックの包丁などにも使われています。
ブルーダイヤモンドに負けないほど美しく輝くブルージルコン。
天然未処理のブルーダイヤモンドには手が届きませんが、ブルージルコンなら頑張れば買えるかも!?
頑張っている自分にご褒美をしてはいかがでしょうか。
カラッツ編集部 監修