ジェレメジェバイトってどんな宝石?意味は?由来は?

ジェレメジェバイト ルース

突然ですが、「ジェレメジェバイト」と言ってみてください。

上手く言えましたか?

私は最初は上手に言えませんでした。早口言葉を覚えるように何度も練習しましたが、未だに舌足らずな発音でしか言うことができません・・・

あまりその名を聞いたことのないジェレメジェバイトですが、一体どのような宝石なのでしょうか。

今回は、市場でもほとんど見かけることのない激レアストーン、ジェレメジェバイトの秘密を探ってみることにしました。

ジェレメジェバイトとは

ジェレメジェバイトは無色から白、黄、青色などを呈する宝石で、強い多色性を見せるという特質をもちます。

産出量が極めて少ない上に、発見されてもほとんどが小粒の結晶。

さらに宝石品質のものはごく稀なことから、カットしたルースやジュエリーに加工したものは、市場にあまり流通していません。

一般的に見かけることが少ないことから、コレクターの間で人気の高いレアストーンです。

ジェレメジェバイトの性質

結晶系 六方晶系
化学組成 アルミニウムホウ酸
モース硬度 6.5 – 7.5
比重 3.28 – 3.31
屈折率 1.653 – 1.640
複屈折率 0.0130
光沢 ガラス状

ジェレメジェバイトの特徴


では次に、ジェレメジェバイトはどのような特徴を持っているのか、ジェレメジェバイトの鉱物としての特徴や性質についてを学んでみましょう。

ジェレメジェバイトの結晶

ジェレメジェバイトの結晶は、ペグマタイト鉱床における熱水循環によって生成します。

結晶はエルバイトやトルマリン、クオーツなどと共に生成するのが一般的ですが、稀にジプサムを伴うこともあります。

ジェレメジェバイトは、アルミニウムホウ酸塩鉱物に、いくつかのフッ化物と水酸化物イオンが混ざったという、希少な宝石です。

結晶は六方晶系をしていますが、以前は産出されるほとんどは小粒状でカットも困難でした。

しかし、1970年代以降には、ナミビアで細い柱状の結晶が発見され、カットすることが可能になったのです。

強い多色性を見せる

ジェレメジェバイトの魅力は、なんといっても強い多色性を見せることです。

ジェレメジェバイトの場合、二色が見える二色性だといわれており、見る角度によって、青色薄い青色などの異なるカラーを見ることができます。

ただ、ジェレメジェバイトは結晶のほとんどが1カラット以下と小さく、柱状のものが産出されるのもごくわずか。

また、全ての結晶ではっきりと多色性を感じられるわけではありません

多色性をもつ結晶をカットする場合には、多色性の方向を確かめてからカットを施し、ナチュラルな色の美しさを表現できるよう努めます。

結晶の小さなジェレメジェバイトの多色性を上手くひき出すのはカット職人の腕の見せどころなのかもしれませんね。

ジェレメジェバイトの産地


ジェレメジェバイトが世界で最初に発見されたのは、シベリアです。

ほかにも、タジキスタンのパミール山脈や、ドイツのアイフェル地方、ナミビア、ミャンマーなどで産出されています。

結晶は1カラット以下の小粒が多く、宝石品質のものが採れるのもごくわずかです。このような理由から、ジェレメジェバイトには高い希少価値が付くようになりました。

ジェレメジェバイトの名前の由来

ジェレメジェバイトが世界で最初に記述されたのは、1883年のことでした。

フランスの鉱物学者であるアレクシス・ダモーが、シベリアの都市ネルチンスクの近郊にあるソクツイ山で新種の宝石が見つかった、と発表したことだとされています。

その後、この結晶はロシアの鉱物学者パヴェル・イェレメイェフに敬意を表して、Jeremejeviteと名付けられました。

しかし、イェレメイェフ氏の名前の正しい綴りは『Eremeev』です。どうして『Jeremejevite』という綴りになったのかというと、ロシア名のイェレメイェフ(Eremeev)をドイツ語にすると『Jeremejev』と綴るからだそうです。

それ故か、ジェレメジェバイトは他にもエレメーエファイトやイェレメイェフィットなどとも呼ばれています。

ちなみに和名では『エレミア石』と呼ばれています。

ジェレメジェバイトの石言葉

ジェレメジェバイトの石言葉は、純粋、信頼、願望成就、静寂などです。透き通った青色は、曇りのない純粋な気持ちを表しているようですね。

最後に

ジェレメジェバイト ルース

産出量が極めて少なく、さらに宝石品質のものは滅多に見られないという、レア中のレアといわれるジェレメジェバイト。

価値高く扱われることも多いと聞きますが、見つけたら手に入れたい!とつい思ってしまうのがコレクター心かもしれませんね。

素敵なジェレメジェバイトに出会えますように☆

カラッツ編集部 監修